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遺言能力について|遺言知識

遺言者が満15歳上で、遺言時において能力があれば遺言できるということになっています(民法961、963)。
しかし、このことがかなり問題になるケースがあります。例えばAさん(89歳男性)やや最近認知症ができたがしっかりしているときもある。こういう場合相続人から遺言書の無効を訴えられる事例がみられます。ここで、遺言が無効になった事例と有効になった判例を引用したいと思います。

遺言者が、公正証書遺言作成時91歳という高齢で、老人性痴呆と診断されて入院した病院で遺言作成前より認知症に基づく異常行動を度々行い痴呆症状を増悪させており、遺言作成の約1週間後には危篤状態になり、さらにその1か月後に死亡した等の事情が認められる事案において、遺言者に意思能力がなく、また、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授したり、公証人が遺言者に読み聞かせた遺言内容を理解して筆記の正確なことを承認することは不可能であり民法969条を適用する前提を欠いており方式違反があったとして公正証書遺言を無効とした判例。
大阪高判平19・4・26判時1979・75)
遺言者は一時的に意識混濁の危険な状態に陥ったものの、次第に症状が回復していたこと、看護婦との応答も適格になし得る状態になっていたこと、遺言の内容が妻の生活を保持させる内容で一貫した、比較的簡単な内容となっていることなどから、死亡危急者遺言について有効とした事例。
(静岡地判平8・1・29判時1582・111)
書作成遺言執行実務マニュアル 新日本法規出版 より引用

上記の判例などからもわかるのですが、元気なうち遺言書をつくるのが非常に重要なことがわかります。まだ、作るの早いかな?と考えた今こそが遺言の作成どきだと思います。遺言が必要なタイミングは、人それぞれ違いますですが元気なうちに早いタイミングで作るのがベストだと思います。